噂のHarley Benton DC-Juniorをチェック。キターン!
最初の記事でちょっと話に出してましたが、ようやく手を付けます(
ちょっと乗り遅れた感じもありますけど、「ぼっち・ざ・ろっく!」のギター・ボーカルである喜多ちゃんのギターと言えばGibson Les Paul Junior DC Pelham Blueですね。
喜多ちゃん推しの方なら「同じギターが欲しい!」と思った人も多いはず。でも、Gibson製は高いどころかそもそもPelham BlueのJunior DCは現状生産してないんですよね……。
そもそもVintageに存在しないってのが多分大きな理由かな? Les Paul Juniorは60年には生産を中止、Pelham Blueは63年か64年からSGやFirebirdに採用されていたカラーなので、リフィニッシュでない限りJuniorには存在しません。
※なんか間違ってたらごめんなさい!
でも、ぼっちちゃんのモデルは現行で色々と存在して、安ければEpiphoneなんかでもあって持ってる人もいるのに、喜多ちゃんモデルを手に入れられないのはずるい!
ってな訳で注目されたのが、比較的安価で手に入れられる「Harley Benton」というメーカー製の「DC-Junior LTD Pelham Blue」でした。これね↓
日本の楽器店には流通してませんが、ドイツの通販サイトで手に入ります。その価格は本体価格がおおよそ24,000~25,000円くらい!
為替の影響で変わったりしますが、そこに送料13,000円くらいが入っても40,000円程度で買えちゃうならそりゃ欲しいですよね。
特に今ギター全体が値上がりしてますので……売る側としても心苦しい。
そんな訳で喜多ちゃん推しを中心に流行ったこやつを、同じくぼざろの中では喜多ちゃんが好きな私も入手してみました。
PAさんも気になるんだけど……。
元々JuniorやSpecialは欲しいなと思ってたので渡りに船。ざっくり全体をチェック、自分用備忘録を兼ねて解説していこうかなと思います。
……あ、とは言っても既に色々手を加えちゃってるので参考までにね(
まずはぱっと見のルックス。一番気になるのはやっぱり色でしょうか。
本来のPelham Blueはもう少し色が薄くシルバー感のある水色です。これはLake Placid Blueみたいにちょっと深みがあって濃いブルーメタリックですね。
まぁ、そもそもブルー系メタリックのJuniorを生産しているメーカー自体がほぼ無いですし低価格ならゼロと言っていいので、あんまり拘らなければ似たような色ってことで無視出来ちゃうかもです。私は気にしないので次へ……。
ヘッドは……なんかYAM〇HAっぽいですよね。あんまり言うと怒られそうなのでここは伏字にして軽く流します。
ブリッジはバーブリッジではなくバダスタイプのブリッジ。バーブリッジはオクターブの調整が出来ないので、最初からバダスになってるのは好印象です。有名どころだと、Specialを使ってるBUMP OF CHICKENの藤原さんは所持している同型ギターを全てバダスタイプに変えてたはずです。
バダスって結構厚みがあるのでめいっぱい下げても弦高が高くなってしまうこともあるみたいですが、自分の個体はネックをしっかり調整してアンカーも下げて見ると、結構しっかりローアクションになりました。
これだけで十分だとは思いますが、さらに下げたい人は「全体の厚みを1mm程薄くした」バダスタイプのブリッジが市販されています。ポン付け出来るかどうかは分かりませんが……。
さて、気になる人も多いであろう作りやパーツについて見ていきましょう。
ドイツの通販サイトで販売されているのでドイツ製だと勘違いしている人もいらっしゃいますが、実際はインドネシア製です。
インドネシアと言えばSquierや最近のPRS SEなんかが生産されています。あまり作りが良いとは言えないイメージが強いですが、パッと見た感じは意外とちゃんとしているように見えます。
何よりこの低価格でちゃんとセットネックになっているのは結構びっくり。最近のSEの評判も良いし、侮れないのでは……?
と思いましたが、やっぱり多少の粗さは見られますね。キャビティやピックガード等のネジ穴がちゃんと合ってません。場所によって斜めに留めざるを得ないところがあります。
まあ、取り付け出来てはいるので一見すると分かりません。こんなもんかな……という感じ。
一番気になるのはPUが若干左にずれていて、6弦がポールピースの上を掠めている程度でほぼ通っていない点。
ただ、本家Gibson製品とか見てもここは同じようになってる個体も存在するんですよね。音が出ない訳でもないので、こんなものなのかな……?
この辺は個体差があるかもしれませんね。
その他ホームページに載っているスペックは下記の通り。
Limited Run 2020 - Limited to 250 copies
Body: Mahogany
Neck: Mahogany
Neck attachment: Set-in
Fretboard: Amaranth
Fretboard inlays: White dots
Neck profile: C
Scale: 628 mm (24.72")
Fretboard radius: 305 mm (12.01")
Nut width: 43 mm (1.69")
Nut: Graphite
Frets: 22 Medium jumbo
Pickup system: Roswell P90D Alnico-5 Dog Ear single coil (bridge)
Controls: Volume & Tone
Pickguard: 3-Ply black
Bridge: WSC Wrap Around
Machine heads: Wilkinson vintage style with 15:1 gear ratio
Hardware: Chrome
String gauges: .010 - .046
Colour: Pelham Blue
書いてある通り250本限定なんですが、似たモデルはまだ販売されてます。ネックが太目だったりとちょっとずつ仕様が異なるようですのでご注意を。
指板のアマランスはあまり聞き馴染みがありませんが、属・種的にはパープルハートが近いです。パープルハートはディバイザー製品の限定モデル等で時々見られるので、悪い材ではなさそうですね。アマランス自体はIbanezなんかで採用されてた気がします。
ピックアップのRoswellですが、ちょっと面白い仕様になってましたので画像と一緒にご紹介します。
分かりますかね? P90Dは型番ですが、その横と右下に「N」の文字。
つまり、これネックポジション用のピックアップなんですよね。Roswellのサイトを見てみると「B」の文字のあるブリッジポジション用のものもちゃんとあるにも関わらず、です。
実際の所、このようにブリッジポジションにネックポジション用PUを使用することは特段珍しい訳ではなく、抵抗値的に狙ってやる方もいらっしゃいます。
ただ、この価格でこんな拘りがなされているのはちょっとびっくり。何も考えずブリッジポジション用載せててもおかしくないですので、ここも評価高いです。
……ただ、低価格なのでこれが拘りなのかネック・ブリッジが混在してるのかは流石に不明です。もしも「自分のにはBって書いてあった!」なんて情報があれば教えてください。
ちなみにポールピースは約10mmピッチ、カバーの高さは約11mmです。
スペックリストに記載されてない情報をいくつか。まず、こちらは各部がミリ規格となっております。もしも色々改造したい場合はご注意を。
私は既にPOT、コンデンサ、PUを変更しちゃいました。外したPOTからも得られる情報があるので写真と一緒にご説明します。
韓国製のAlphaポットを搭載。500kΩが2つ搭載されています。コンデンサは印字が非常に見にくかったんですが、.022μFのようです。
P-90搭載のギターには300kΩのポットや.033μFが使用されることもありますが、個人的には500kΩと.022μFの組み合わせが派手でハイファイなので好きです。
で、ボリュームにはBカーブを採用。私はポットを変えた時(CTSのミリ規格のやつに変えました)Aカーブ2つにしちゃったんですが、ここは元の通りボリュームだけでもBカーブにしていれば良かったかも……とプチ後悔。まあ、どうせほぼ全開で使うんで関係無いと言えばその通り。
さてさて、一番気になるポイントとしてはやはりサウンド。届いた時点で結構ネックは順反りしちゃってましたが、しっかり調整してからアンプにプラグイン!
……
あれ? なんかちょっともこもこしてる?
ちゃんとトーンは全開ですが、家庭用アンプとは言え自分の持ってるギターと比較してもやや中低域が多い気がします。
それもそのはず、Roswellのサイトを見てP90D-Nのトーンチャートを確認してみると、ミドルが7、ベースが7.5に対してトレブルが4(ちなみに抵抗値は7.1kΩ)。結構ロー感の強めなピックアップです。
個人的な用途的にももっとハイを目立たせたかったので、ポールピースを全体的に上げてみたところ……おおっ、ある程度ハイが出てきて良い感じに!
というわけで、「リア一発でカッティングやったりジャキジャキさせたい!」って人はポールピースを上げ目に設定してあげるといいかもしれません。ぼざろの曲とかやる場合も、喜多ちゃんパートなら同じように設定してあげた方が良いかも? ただし上げ過ぎには注意です。
逆にパンクとかやりたい人ならそのままで良いかも。ドライブさせた時の太さとパンチのある感じは相性良さそうです。
まぁ、私はピックアップ変えちゃいましたが……。
43mmのナット幅はやや広めですが、一般的なLes Paulとそう変わらないですし、Cシェイプネックも握りやすくて価格帯の割に弾きやすいです。勿論ちゃんとセットアップしてあげる必要はありますので、弾きにくいとか音痴だとか気になるポイントがあれば、楽器店か詳しい人にセットアップを依頼するとちゃんと弾きやすくなると思います。
チューニングの精度も特に問題無し。PUは一つだけなのでオールジャンルいけるとまでは言いませんが、最初のギターで喜多ちゃんっぽいギターが欲しい! という事なら全然買っちゃってOKなギターだと思います。
ちなみに私はPUをギターワークス製VGS-SBに、ポットを前述の通りミリ規格対応の方のCTSに、コンデンサをVintageバンブルビーの.022μF 600Vに交換しました。安ギターにかける投資じゃない。
ピックアップはLollarにしようと思ったんですが、今あんまり市場に無いですね。ギターワークス製PUはかなり安い割に評判はかなり良さそうです。
他に変えるとすればジャックとペグかな? でも現状特に不満が無いので壊れなければこのままでもいいかも。ノブも変えたかったんですが、良い見た目のやつはインチ規格なんですよねぇ。
ほんとは変えた後のサウンドについても書いてみたい所なんですが、引っ越し準備でアンプしまっちゃってるんですよね。あとせっかくなのでスタジオで鳴らしたい。
またスタジオ入る機会があれば記事にしようと思います。
ここまでで4,800字くらいになっちゃいました。やべえ早く寝ないと(
これから手にする人、もう持ってる人等このギターに関わる人の役に立てれば幸いです。